水族館句会九月

兼題 帰燕 白

◎◎〇〇〇22 燕去る海の町より手紙来て 芽茶
◎◎〇〇5 昂ぶりてゐしが帰燕のふいと発つ 九鼠
◎〇〇〇〇16 切通し越えれば海や秋燕 織女
◎〇〇18 白桃をスケッチ無垢の香に触れて 芽茶
◎〇19 白地図のなかのふるさと秋燕 真里子
◎20 白露や泣くを忘れて生くる身に 芽茶
〇〇〇6 帰燕かな庫裏に新し竹帚 おるか
〇〇〇27 柘榴の実話の余白などおもふ   真里子
〇〇8 白球を投ぐ打つ走る獺祭忌 お軽
〇〇10 燕帰る胸の和毛を巣に残し 九鼠
〇〇13 肩と膝濡るる白露の摩崖仏 九鼠
〇〇17 更待や白き襖に囲まれて    おるか
〇4 年々に住み捨てる町燕帰る 洗濯機
〇11 燕やみんなで育ち皆で帰る 洗濯機
〇12 大き過ぎたる白茄子月皓皓 真里子
〇14 六道の辻の白露に送りけり おるか
〇24 一燕も残らず残さず鍛冶の町 お軽
〇26 また来ると去ぬ燕たちの置手紙 水種
1 寅さんのようにアバヨと秋燕 水種
2 白帆浮く向かふ帰燕の影は消ゆ 案山子
3 秋光のつばくろ岳の石白して 織女
7 うたた寝に絢爛の夢秋彼岸 お軽
9 取り壊す廃家の燕去り安堵 水種
15 逞しく帰燕の準備駆け巡る 案山子
21 群は今帰燕の魁待つところ 案山子
23 燕のための日々今朝誰のため 洗濯機
25 白々と穴に入る蛇と鉢合わせ 織女

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