今月のコラム– category –
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七月の雨の日は
素麵でさっぱりと。 中央の菓子鉢は実は、素焼きの時からひびがあって、本焼きしたら、当然、切れるだろうと予想がつきました。だから、それを見込んで氷裂文様を描いて裂けたところは金継ぎしてもらおうと計画しましたのに、なぜか、意外に切れなかったん... -
緑雨のころに 木々の緑の美しさに、ただ茫然と日をすごしていたら、もう六月。 一年の残り半分を、もっと大切にしようと気持ちを引き締めたい、と思ってはみたものの、日々の些事に追われてやっぱり何もできないまま…。 特にこの季節、草むしりなんか始め...
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緑の季節
五月、皐月、早苗月、一雨ごとの、緑の変容に目を奪われます。そして地上は白い花の季節。可憐な稚児百合、鳴子百合、橘,野ばら。地球は何て美しいの!五月に死にたいなー。朴の花の香りの下で。 : とはいえ、山菜とタケノコの季節。 : 写真手前はタケノ... -
ようやく春
イースターを過ぎて、北陸はようやく春めいてきました。 毎日、庭に出て、新しく顔を出した ものの芽を発見するのは、雪国ならではの格別の嬉しさです。 ⋆ 木の芽の膨らんできた枝枝を飛び交う小鳥たちも楽しそう。 鳥も巣作りの季節なんですね。イースタ... -
ちらし寿司、それとも、ライスサラダ
山中塗のお椀に、蛤のおつゆ。赤絵南天模様の平鉢にちらし寿司。鮭のカルパッチョにアスパラの緑が春めいた気分を盛り上げてくれます。 ⋆ お箸は鯖街道の熊川宿で、酒屋のおばあさんからいただいたものです。若狭から京都へ向かう街道の、小浜から80... -
蓋物の楽しみ
蓋を開けて中を覗く時は、不思議にワクワクしますね。 今年初めて見つけたフキノトウを、見せてあげたりとか、使う方も楽しいです。 焼き物で蓋物を作るのは、実は多少めんどうです。窯の中で焼きあがるまでには、何しろ高温ですから、どうしてもゆがみが... -
あけましておめでとうございます。
お正月になると、確かに日脚の伸びているのが感じられます。 * 昨日と同じところにをれば初日さす 桂信子* * 昨日と特に変わったこともない日の、いつもと同じところに座って、同じように日が差してくるのであっても、新年の初日と思えば、その明るさ... -
クリスマスを待ちながら
時雨るかと思うと、急にまぶしいばかりの日射しが、小さな谷を金色に満たします。ゼウスが変身した黄金の雨って、こんな感じかな、と思ったりします。そんな不穏な明るさの日曜日、アドベントの始まりです。 * 手前の鮭のマリネの入った鉢は南天の模様。赤... -
あたたかな神無月。
裏山の柿を熊が食べに来たらしく、枝がボキボキに折られていました。食べてみたら渋柿だったので腹立ちまぎれに折ったのかな? 例年でしたら、気温がもう少し下がって、渋柿もだんだん甘くなるころなのでしょうけど。 きっと「甘くなったころ又来よう」と... -
菊は「神農本草経」に耐老延年の薬であると書かれています。
と、いうわけで、御飯茶碗は、菊慈童。菊の露をのんで不老不死を得たという美少年。名は慈童または彭祖、御能にもなっていますね。ひととき仙郷に遊ぶような、清涼な曲として知られていますが、愛した人はとっくの昔に亡くなって、自分だけは愛された昔の...