• 秋来ぬと

    はや、九月。大雨の後、やや涼しくなりました。古今集秋歌1番の

    *

    *

    秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる  藤原敏行朝臣

    *

    の歌の通り、風の気配が、数日前の先月とは違って感じられます。

    このような、「ああ全くその通り、よくわかるなあ」と誰しもが思う感懐をさらりと述べた歌や句にであうと気持ちがやすらぎます。

    昔も今も、人は同じように秋を感じたのだ、と大きな共感の輪に入った安心感があるのでしょう。

    *

     表現がそれぞれ洗練されたりエスプリが利いたり、作者の境涯の滲んだ味があったり、あるいは、もっと深く、文明批評的だったりと、深さも射程もさまざまでも、共感の句は、この世のあじがします。

    *

    しかし、違う味もたまに欲しくなる。例句がさッとうかびませんが、、たとえば

    *

    *

    いかのぼり昨日の空のありどころ 蕪村

    *

    「昨日の空の在り処」はこの世のことではありませんよね。この世の他の時空、永遠に触れた感じがします。

    *

    秋になると、永遠に触れたくなります。アルメニアに行ってアララト山を眺めたりしたら、私にもそんな句が作れるかなぁ。ああ、夢を見るとはいやしいぞ。【←これランボー)

    *

    さて、テーブルの上、

    鉄さび色の縁の角皿は渡り鳥、鴨の絵です。

    *

    その左、菊の葉形の向付けにポテトサラダ。

    枯葉の豆皿それぞれに塩とか辛子等薬味いろいろ。

    *

    奥の、葉形の大皿は染付と色絵で露の球や葉脈やら描いてあります。

    中央の板皿は吹き墨で朧月。その上に鮭のマリネです。

    *

    この世は美しいものや美味しいものでいっぱいですね。それでもこの世の他の味が恋しいのは、なぜでしょう。

    *

    *

    鳥渡る建付け悪き画材店  おるか

    *

          202609

作品ギャラリー

小鉢、碗、向付、その他

豆皿、小皿、中皿、向付、その他

酒器

コーヒーカップ、マグカップ、他

煎茶を楽しむ

茶器、湯飲み、汲出し茶碗

大皿、大鉢、その他

花器、文房具、その他

ギャラリー目次

ブログ

展示会のご案内

コラムバックナンバー

ブログ集