
十一月、神無月、
空は澄みわたり、小鳥の声、色づく木々。美しい季節…なのに、なんでこうも小忙しいのでしょう。
仕事の合間に、お昼を戴きます。時間がないときは麺類がてばやくていいですね。
菓子鉢は、かけ蕎麦にもちょうどいい大きさです。
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写真右端の染付の鉢に舞茸天ぷら蕎麦。みこみには蟹が描いてあります。
真ん中のやや小ぶりの鉢は冷蔵庫の残り物天ぷらを、夏の残り、というと無粋なので、夏の名残の素麺と。
天ぷらは高温でカラッと揚げないと美味しくないものですが,汁の中に投入しちゃうとまぁ食べられるので忙しいときにはありがたいです。
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右側は、来年の干支の馬の絵、赤絵鉢にサラダ少々見込みには草の穂の絵。中央の呉須赤絵手の菓子鉢、見込みは「魁」の文字。外側はこれも赤絵の野馬図です。
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左側の青呉須手の小菓子鉢には豆腐と昆布炊き合わせ、ちょっとくずれちゃいましたが。
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そして、手前は、枯葉箸置きと枯葉豆皿。
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額田の春秋判定歌には、こう歌われています。
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秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ 青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨し 秋山ぞ我は 額田王
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花咲く春はもちろん良いけれど、黄葉を手に取ってしのぶ秋が心に深く思われる…わかる。
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レミ・ドゥ・グールモンもヴェルレーヌも、フランスの詩の中にも枯葉はたくさん散っていますね。
手の届かない樹上から肩に降ってくれる落ち葉は哀しいけれど懐かしい。黄葉と言えば思い出すのは、人麻呂の
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秋山の黄葉を茂み迷ひぬる妹を求めぬ山路知らずも 人麻呂
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絶唱ですね!黄色の明るい死の世界が禍々しくも美しい!
俳句も名吟たくさんありますが、書き出すとその後で自分の句を乗せることが出来なくなっちゃいますのでやめときましょう。
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敦煌を遥かに葡萄紅葉かな おるか
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若いころ作った句です。おはずかしい。
2025/11/03
