目に若葉

新緑のまぶしい季節になりました。

五月の空の青は深いなー。

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目に青葉山ほととぎす初鰹  素堂

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山口素堂は、この一句で、今日でも親しまれていますね。漢詩文を良くし、芭蕉と親交があったと言われますが、気が合ったのでしょうか。プルーストは「人が近しくなるのは、考え方が似ている等々ではない。魂の血族であるかどうかだ」と言ってますが。同族嫌悪ってこともありますしねぇ。

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 写真中ほどの、染付廃校四辺形の平皿にカツオのたたき。

実は鰹がそんなに好きなわけでもないのですが、この句のせいで、五月ともなれば食べないではいられない。言葉の力は恐ろしい。

小説の中に出てきた場所には、何となく行ってみたいし、お料理は食べて見たくなります。風景などは、案外当たり前でがっかりすることの方が多いものです。食べ物のほうは、幼稚園の頃、「山のクリスマス」という」という絵本の中で、主人公の少年が、雪の中を家に帰ってストーブで焼き林檎を作るのが、なんだかいいな~おいしそうだな~と思って、いつか作ってみたいと思った記憶があります。それから小学校の低学年のころ、トム・ソーヤーの冒険にでてくる「とうもろこしのかきあげパン」なるものが美味しそうだと思いました。どちらも未だ作ってません。焼き林檎のために薪ストーブ買うわけにもいきませんものね。

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好きな作家プルーストと言えばもちろん「プチット・マドレーヌ」でしょう。これは私のおやつの定番です。ティザーヌも良くいただきますし。その上、庭に「白い山査子赤い山査子」まで植えちゃったんです。よく考えれば、西洋山査子と日本の山査子はかなり違うのに…馬鹿だなー。

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気を取り直して、写真手前、染付のお椀にタケノコ御飯。城陽の料亭さんから届いた、育ちの良い竹の子です。

青呉須手の小菓子鉢に柏餅も小ぶりなものを入れました。草の葉形の小付けにありあわせの煮もの。

左側の染付芙蓉手の小鉢に酢の物。古典的な文様は、さすがに落ち着きます。

奥の芙蓉手兜鉢、モンスターマスクは、見込みも怪獣たちが遊んでいる図柄です。フフ。

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久しぶりで山繭を見つけました。薄緑の命の灯が灯っているかのよう。昔作った句ですが、

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山繭を一つ見て足る一日かな  おるか

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202505

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