• (タイトルなし)

    緑雨のころに

    木々の緑の美しさに、ただ茫然と日をすごしていたら、もう六月。

    一年の残り半分を、もっと大切にしようと気持ちを引き締めたい、と思ってはみたものの、日々の些事に追われてやっぱり何もできないまま…。

    特にこの季節、草むしりなんか始めたら、終わりが見えません。

     それでも、裏庭を片付けていたら、何十年ぶりかでアカショウビンの声をききました。深い緑のなかに、哀しいほど赤い小鳥。朱漆の工芸品のような嘴を持った鳥。またこの谷あいに来てくれたなんて、嬉しい。赤い鳥の絵、描こうかな。

    *

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     さて、テーブルの上には、虎の子図長丸皿にアスパラガス。この季節は蚕豆とアスパラガスという私の大好きなものの出回る時節です。 とろとろ茹で卵をかけようと思ったのに茹ですぎて普通のゆで卵になっちゃった 。

     六角の豆鉢にモズクの酢の物。栗鼠の図長丸皿、栗鼠は松ぼっくりを持っています。

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    赤絵の御飯茶碗に豆ごはん。

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     その上の長丸皿は双鹿図。なぜ、鹿の図だけ双鹿というのかって?習慣的にそう呼びならわしているからとしか言いようがありません。

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    左側の色絵染付の小鉢に野菜の白和え。

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     窓を開けていると朴の花の香りが降ってきます。甘く静かな天上的な香り。このまま永遠に嗅いでいたい。世の中なんてどうでもよくなる香です。気を引き締めようなんて夢のまた夢。

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    合掌のほろとほぐれて朴散華   おるか

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          2024 0602

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